その彼の体を見るようになって、もう5年になるだろうか
20代の頃に車の事故にあって以来、肩こり、首コリ、頭痛、耳鳴りに悩まされている
彼は毎回その症状の緩和を目的として来店しているが
僕はただ、彼の気になるところだけを診ているだけではなかった
毎回、気になってる症状は楽になるので、彼はとても喜んでくれていた
彼はそれだけで十分だとも言ってくれていた
しかし、僕は毎回、気になる箇所をどうにもできなくて、課題を残して終わっていた
それは、彼の首にある「硬結(ものすごく硬くなってるところ)」した筋肉と肩を動かしたときの「音」だ
「別にいいよ、十分に楽になるし肩の音なんて気にならないし、事故にあって首が回らなかった頃と比べたら元通りに回るし、何ら問題はない、ほんと助かってる」と彼は言ってくれる
先日、いつものように彼の施術をしていた時のこと
やっぱり、首の硬結が気になったので、いつもとは違うアプローチで試みたら
硬結が僅かに緩み、背中の緊張が解けた
術後、肩の音も消え、彼も音が消えたことに驚いていてくれたのだが
ほんの一時のことで、数分後にはまた、硬結ができてしまった
今回もまた、課題を残す結果となった
でもそれが 楽しい のだ